第19回(2004年10月2日)

 

 

 

 

 

 

竹の宴

 

 

 

 

 

 

頭の真上にあったお日様が日毎に低くなって、すっかり秋の日差しになりました。
お日様が傾いてくると日差しが家の中まで入りこんで、夏の間は映らなかったガラスドアのエッチング模様が床に映って、もう一つのエッチングの楽しみを見せてくれます。

 

そして開け放した窓の外には、生き生きとした竹の緑がいっぱいに広がり竹の足下をヤブランが彩っています。

 

日が暮れ始めると今度は秋の虫たちの大合唱。それはそれはすごいのです。この茂みの中にいったいどのくらいの虫たちがいるのでしょう…?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんな様子をテーブルクロスにステンシルをしたものがあります。

 

これはもうずいぶん古いものです。
10年も前になると思うのですが、デポー39の天沼さんに勧められて女性月刊誌「家庭画報」主催の「家庭画報大賞」に応募させていただいた事があるのですが、ちょうどその時が秋の初めでこのテーブルクロスを作り「竹の宴」をテーマにテーブルコーディネートしました。
初めての応募経験でしたがお陰さまでなんと、テーブルコーディネート部門で「家庭画報優秀賞」をいただく事が出来ました。

それから、秋になるとテーブルクロスよりも色々なカバーリングに使ったりしていましたが今年はふとまたテーブルに使ってみました。来客があったわけでも無く夫婦二人だけの休日だったのですが…。

 

それにはこんな訳があります。
8月の広島での教室の後、ちょっと足を伸ばして、山口県に連れて行っていただきました。いつも広島に行くとお世話になっているご夫妻のご実家が山口県にあると言う事で日ごろのお世話していただいている事にさらに輪をかけるように、私にとっての初めての山口県をご案内いただきました。(本当に言い尽くせない感謝です!!)

そこで、出会ったのが萩焼「昌平窯」の原田昌平さんです。
「昌平窯」は山口県長門市にあります。
私たちがお訪ねした時はちょうどお住まいのお台所の床を修繕なさっていらっしゃると言う事で、運良く(?)客間の至る所に昌平さんの器が並べられていました。
お言葉に甘えてその一つずつを手にとって見せていただきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私が欲しかったものは普段使いが出来るちょっと大振りの使いやすい急須です。
そんなことをお話しながら見せていただいているところに冷茶をお持ちくださったのですがそれはそれは、甘くておいしい茶でした。
茶わんと言い、急須と言い、ほんのりとした手に持った時の気持ちの良いものでした。そして何よりもこんなにお茶がおいしく頂けて感激。
早速、注文させていただく事にしました。見せていただいた急須の中から、用途をお伝えしてお作りくださる事になり、出来上がりは10月の半ば頃、焼き上がったらお送りいただくお約束をしました。

秋に開かれる「昌平窯の器で頂くお料理」として器だけの展示会ではなく実際に使って器の良さを感じてもらうと言う企画の準備でお忙しそうでした。
私も、そんな器への思いがとても自然な昌平さんに引かれご自宅用としてお使いの器の中からおおらかな青い大皿や銘々皿など、10月までは待ちきれない思いでお譲りいただいてきました。

 

そんな訳で、思い立って二人で竹の宴を…。本当にありあわせのお総菜ですが、何だかちょっと素敵な時間を過ごせるようになりました。
(「昌平窯」の器は山口県湯本温泉大谷山荘で出会えます)

中秋の名月も一緒に楽しもうと吟醸酒のラベルをはがし簡単なエッチングをして、会話の種には、6月に行った沖縄で作ってきたシーサーを並べて…。
床にある一対は、初めて沖縄を訪れた時、那覇にある壺屋やむちん通り「南栄館」で購入したものです。気に入るシーサーを見つけるのに何軒も回って出会ったものです。

 

今年の6月にもは石垣や竹富島に訪れ、屋根の上のシーサーが焼き物ではなく欠けた瓦を芯として漆喰で作られているものと知りました。
本格的なシーサー作りがどうしても知りたくなって、体験教室に参加して作ってきたものです。朝からほぼ丸一日を掛けて二人で片方ずつ作ってきました。

魔よけなので、なるべーく怖い顔に作りたくて口を開けているのが私の作った方。漆喰に色付けまでそれぞれが自分でしました。爪は貝殻を埋め込んであります、貝を飾りに使うのは収穫につながる縁起担ぎだそうです。しっぽの先と口から飛び出した舌には、芯に使った本当の屋根で使われていたアンティークの瓦のかけらが見えるようにそのまま出しました。
ちょっと話がそれてしまいましたが、二人だけの会話に話題が増えるようにシーサーも飾ってみたのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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